事業報告書
Ⅰ.原子力発電環境整備機構の概要
1.業務の内容
1-1 目 的
発電に関する原子力の適正な利用において、発電用原子炉の運転に伴って生じた使用済燃料の再処理等を行った後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分は、最重要課題の一つである。
原子力発電環境整備機構(以下、「機構」という。)は、特定放射性廃棄物の最終処分の実施等の業務を行うことにより、原子力発電に係る環境の整備を図ることを目的とする。
1-2 業務内容
特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成十二年法律第百十七号)及び同法第20条の規定に基づく別の法律で定める安全規制に従って、次の業務を行う。
- (1)最終処分業務(同法第56条第1項第1号及び第2号)
- ア.概要調査地区等の選定を行うこと。
- イ.最終処分施設の建設及び改良、維持その他の管理を行うこと。
- ウ.特定放射性廃棄物の最終処分を行うこと。
- エ.最終処分を終了した後の当該最終処分施設の閉鎖及び閉鎖後の当該最終処分施設が所在した区域の管理を行うこと。
- オ.拠出金を徴収すること。
- カ.上記ア.からオ.に掲げる業務に附帯する業務を行うこと。
- (2)委託を受けて行う業務(同法第56条第2項)
- ア.経済産業大臣の認可を受けて、受託特定放射性廃棄物について、特定放射性廃棄物の最終処分と同一の処分を行うこと。
- イ.上記(1)ア.からエ.及び(2)ア.に掲げる業務のために必要な調査を行うこと。
2.事務所の所在地
東京都港区芝4丁目1番23号 電話番号(03)6371-4000
3.役員の状況
2019年3月31日現在の役員は、次のとおりである。
理事長 | 近藤 駿介 | |||
副理事長 | 藤 洋作 | |||
専務理事 | 中村 稔 | |||
理事 | 梅木 博之 | |||
理事 | 伊藤 眞一 | |||
理事 | 宇田 剛 | |||
理事 | 紀平 浩司 | |||
理事(非常勤) | 井手 秀樹 | (慶應義塾大学 名誉教授) | ||
理事(非常勤) | 松本 真由美 | (東京大学教養学部 客員准教授) | ||
理事(非常勤) | 廣江 讓 | (電気事業連合会 副会長) | ||
監事 | 上野 透 | |||
監事(非常勤) | 鳥井 弘之 | (株式会社日本経済新聞社 社友(元論説委員)) |
4.評議員の状況
2019年3月31日現在の評議員は、次のとおりである。
友野 宏 | (議長) | 新日鐵住金株式会社 相談役 | |
山地 憲治 | (議長代理) | 東京大学 名誉教授 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 理事・研究所長 | |
大江 俊昭 | 東海大学 名誉教授 | ||
勝野 哲 | 電気事業連合会 会長 | ||
久住 静代 | 中間貯蔵・環境安全事業株式会社 監査役 | ||
児玉 敏雄 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 理事長 | ||
西川 正純 | 元 柏崎市長 | ||
崎田 裕子 | ジャーナリスト・環境カウンセラー 特定非営利活動法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長 | ||
城山 英明 | 東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院 教授 | ||
田中 裕子 | フリーアナウンサー 元 NHKアナウンサ― | ||
長辻 象平 | 株式会社産業経済新聞社 論説委員 | ||
中村 多美子 | 弁護士 | ||
西垣 誠 | 岡山大学大学院環境生命科学研究科 教授(特任) | ||
東原 紘道 | 東京大学 名誉教授 元 独立行政法人防災科学技術研究所 地震防災フロンティア研究センター センター長 |
5.職員の状況
2019年3月31日現在の職員数は、117名である。
Ⅱ.業務の実施状況
【概要】 -中期事業目標の実現に向けた取組み状況について
(対話活動)
対話活動については、一昨年の「科学的特性マップに関する意見交換会」における参加者募集に関する不適切な事案の反省に立って定めた「対話活動改革アクションプラン」に基づき、参加者の目線に立った工夫を取り入れた「対話型全国説明会」(以下、「説明会」という。)を5月から8月にかけて全国の県庁所在地22都市で開催した。その後、2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」において、「関係府省連携の下、国民の関心を踏まえた多様な対話活動の推進等の取組を一層強化し、複数の地域による処分地選定調査の受入れを目指す」方針が示されたこと等を踏まえて、10月からは科学的特性マップ(以下、「マップ」という。)における「グリーン沿岸部」地域を中心に県庁所在地及び中小都市の計32都市において説明会を開催し、関心の喚起と理解の浸透に努めた。説明会の開催にあたっては、開催地及びその周辺の自治体や地方新聞社等を訪問し参加や取材のご案内に努めたほか、「対話活動改革アクションプラン」に基づいて、インターネットによる説明会のリアルタイム配信(札幌会場)や駅前広場でのイベント出展(金沢、北九州)を説明会の開催と連動して実施した。このほか、Webメディアやマスメディアの活用にも取り組んだ。
なお、こうした活動の実施にあたっては、会合の公正性を確保するために策定・事前に公表した運営ルールを徹底するとともに、会合の開催の都度これを見直した。また機構の取組みを身近に感じて信頼感を持っていただけるよう、開催告知を含めて極力業務委託を避けた「手作り・直営」を基本に運営し、きめ細かな対話を積み重ねた。
また、全国各地の諸団体が自主的に行う学習活動の支援について、定められた支援メニューから選択できる選択型学習支援事業を新たに開始するとともに、従来の自主企画支援事業について、より団体のニーズに即した支援をするため、複数年度(上限3年)の活動も支援できるよう見直した。さらに、支援団体等の交流会の開催(国と共催)、Facebookへの「学習支援事業交流ページ」の開設、団体による優れた情報発信活動の表彰(情報発信グランプリ)等、諸団体による活動の広がりと活発化に努めた。
さらに、地層処分事業が長期に亘る事業であることを踏まえ、次世代層を対象に、地層処分模型展示車の巡回のほか、学校授業への機構職員の派遣、教育関係者による授業の実践の支援、デジタルコンテンツ関連の教育機関「デジタルハリウッド大学」が実施したデザイン・映像コンペティションとの協働等にも取り組んだ。
これらのことから、中期事業目標に定めた「地域の方々への積極的な情報提供と意見交換、地域団体等が行う主体的な学習への支援、地域全体への広がりにつながる取組みなどを実施」に関しては、多様な手法を連動させることにより、積極的かつ効果的な情報発信に努めたことや、諸団体等のニーズに沿った活動支援及び交流会を展開したことから、一定程度の進捗は得られている。今後もなお一層の工夫と改善を図り、継続していくことが必要である。
また、「文献調査を受け入れていただく地域に対する敬意や感謝の念が国民の間で共有される」ことに関しては、説明会等においてもきめ細かな説明を積み重ねてきたことなどから、半数近くの方から肯定的な意見が示されるなど、一定の理解が得られつつある。これらも、今後一層努力して継続・改善していく必要があると考える。
(技術開発)
技術開発については、機構の技術力に対する信頼を獲得するため、地層処分の安全をどのように確保して事業を実施していくのかに関して、これまでに蓄積されてきた科学的知見や技術を統合して包括的に説明し、事業者の立場から技術的取組みの最新状況を示した「包括的技術報告:我が国における安全な地層処分の実現 ―適切なサイトの選定に向けたセーフティケースの構築―(レビュー版)」(以下、「包括的技術報告書」という。)を作成・公表した。これを踏まえて、「包括的技術報告書」の日本原子力学会によるレビューに対応するとともに、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)によるレビューに向けて英語版ドラフトの作成を進めた。さらに、機構ホームページにおいて「包括的技術報告書」を中心とする技術開発成果を発信して広く社会と積極的にコミュニケーションを図るための特設サイトを整備・公開したほか、専門家向け及び一般向け説明会の開催準備を進めるなど、様々なステークホルダーに向けた分かりやすい情報発信に努めた。
また、地層処分技術の信頼性及び経済性並びに効率性の向上を図るため、新たな「中期技術開発計画(2018年度~2022年度)」を策定し、国及び関係研究機関と連携を図りながら、地質環境の調査・評価技術、処分場の設計と工学技術、閉鎖後長期の安全性の評価技術の開発に取り組んだ。
さらに、地質環境の調査・評価、処分場の設計及び安全評価に求められる要件等を処分地選定の際の調査計画に展開するための机上演習等、事業の基盤を確かなものにするための技術マネジメントに関する取組みを実施した。
また、共同研究現場や土木工事現場への職員の派遣による技術能力の向上のほか、対話活動への参加による技術系職員の対話能力の向上にも取り組んだ。
これらのことから、中期事業目標に定めた「我が国において地層処分事業が確実に実現できること及びその安全性が確保されることを体系的に示し、(中略)機構の有する技術力への信頼性の一層の向上を図る」こと及び「長期にわたる地層処分事業を的確に遂行するため、文献調査、概要調査等の事業展開の各段階に備えた技術開発に関する総合的な計画を随時見直し、これを着実に推進する」ことに関しては、「包括的技術報告書」の公表をはじめとして大きな進展があったものと考える。また、「内外の関係機関の協力を得ながら、実施主体としてのリーダーシップと企画力をもって我が国における処分技術に係る技術開発全体を俯瞰し、その整備と向上を牽引する」ことについても、国内外の関係機関との連携強化のもと、国際機関の活動や国際共同研究プロジェクトを通じて情報交換や共同研究を進めており、今後とも継続的に取り組んでいく必要はあるものの着実に進展していると考える。
(組織運営)
組織運営については、リスク管理室を中心とするリスクマネジメントの強化と業務委託の厳選及び委託先や再委託先の管理を徹底し、意見交換会の参加者募集に関する事案の再発防止に努めた。再発防止策については、個別に実施状況をフォローし定期的に評議員会へ進捗状況を報告した。また、理事会の定期的な開催、非常勤理事の1名増員、内部監査の実施、情報セキュリティ対策の強化、規程・マニュアルの整備、各種コンプライアンス研修の実施等、様々な施策を通じて、ガバナンスの更なる強化に努めた。また、組織整備の一環として、全国的な対話活動を強化するため広報部を新設した。
また、業務の実施状況を定期的に自己点検するとともに、評議員会の評価・提言や部門横断のワーキンググループ活動の検討内容を速やかに事業活動に反映し、業務改善と効率化を着実に進めた。
さらに、中期事業目標を実現するために必要となる人材の計画的な確保と育成に向けて「中期人材確保・育成方針」を策定し、これを踏まえて新卒者や専門能力を有する職員を採用して人材の確保を図るとともに、機構内外の研修やeラーニングの受講、日々のOJT等を通じて人材の育成を進めた。
加えて、労働時間管理の徹底や休暇取得の慫慂、メンタルヘルス研修等により、職員の健康に配慮した働きやすい職場環境づくりを進めた。
これらのことから、中期事業目標に定めた「組織体制の整備と充実並びにリスク管理などを含めた的確な運営等を通じて、ガバナンスの高度化及び職場総合力の向上と活性化を図る」ことについては、一定の成果は得られつつあると考えられるが、引き続き、社会から信頼され続ける事業主体であることを目指して、なお一層の高度化・強化を進めていく必要がある。
また、「事業の着実な遂行と長期的な展開に備えて、必要となる人材の規模や職能を明らかにし(中略)計画的に要員の確保と育成を進める」ことについては、これを具体的に実現するための「中期人材確保・育成方針」を策定したことから、今後は同方針を踏まえて計画的に実施していく。
さらに、「様々な手立てを通じて事業効率化を徹底する」ことについては、今後の事業活動の一層の活発化を踏まえて、継続して取り組んで行くこととした。
1.2018事業年度における個別業務の実施状況
1-1 地域特性を踏まえた多様な対話活動の実施
- (1)文献調査の受け入れと調査の着手を目指した対話活動の拡充
- ア.地域における活動を社会全体で支える取組み
地層処分の必要性をはじめ、マップの位置づけや要件・基準・文献調査の進め方等について、全国各地で説明会等の対話活動を積み重ね、社会の各層に向けた効果的な情報発信を行い、一定程度の関心喚起と理解の深まりが得られた。- (ア)説明会の実施
『「科学的特性マップ」に関する対話型全国説明会』
(全国22の県庁所在地、参加人数410名)
(主催)国と機構の共催
(時期)2018年5月~8月
(開催地)大阪、水戸、松江、鳥取、神戸、香川、那覇、富山、徳島、岡山、高知、千葉、名古屋、札幌、青森、秋田、金沢、前橋、新潟、京都、福井、大津
(概要等)2017年7月に国が公表したマップを基に、第一部では高レベル放射性廃棄物の地層処分の仕組みや処分の実現に向けた地質環境調査プロセスなどについて説明し、第二部では少人数グループに分かれて質疑応答や意見交換を実施した。なお、北海道での説明会では、「対話活動改革アクションプラン」に基づき試行的にインターネットを使ったリアルタイム配信(再生回数:591回)を行った。また、機構ホームページに当該動画を掲示した。
開催にあたっては、趣旨や目的を明確にし、会合の公正性を確保するために策定・公表した運営ルールを徹底するとともに、「手作り・直営」を基本に参加される方々のニーズを踏まえた運営や工夫(開催日時の多様化、テーマを設定したグループ質疑、ヴァーチャルリアリティコーナーの設置等)を通じてきめ細かな対話を進めた。
参加者へのアンケートでは、説明前に比べ説明後の肯定的な意見の割合が増加していることから、一定程度の理解の深まりが得られた。また、「地層処分事業に協力する地域への敬意や感謝の念」「経済的・財政的な支援」については、説明前後での変化は少なかったが過半数が肯定的な意見であった。<表1 「地層処分に関する考え方」説明前後の変化>
※「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計の全体に対する比率カッコ内は「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」の合計の全体に対する比率<表2 機構職員に対する肯定的意見>
※第二部までの参加者が対象 (n=286,単位:%)
全国説明会(高知会場) - (イ)Webメディア及びマスメディアの効果的な活用
a.ホームページ
説明会等のイベントに関する特設ページの新設・更新、プレスリリースや入札等に関する情報のタイムリーな発信を実施した。また、夏休みの特別企画としてInstagramを使った「夏休みフォトコンテスト」を開催し、入選作品をホームページで紹介した。さらに、「包括的技術報告書」の公表、次世代向けコンテンツ「次世代と共に地層処分を考える」の新設(アクセス数<1/16~3/31>:25,654pv)等、積極的な情報発信に努めた。加えて、地層処分事業の社会的意義に鑑み、公的機関に準じたウェブアクセシビリティ向上の検討も進めた。
b.SNS、メルマガ
Facebookへの記事投稿(59回 フォロワー数17,191名)、Instagramへの写真投稿(51回 フォロワー数772名)、メルマガの発行(25回 読者数7,566名)を継続的に実施した。特にメルマガにおいては、地質・化石・トンネルなどをテーマとしたコラムを新たに追加し、地層処分事業への関心喚起に取り組んだ。 - (ウ)地層処分模型展示車(ジオ・ミライ号)等の出展
地層処分模型展示車の巡回や外部団体主催イベントへの広報ブース出展等を全国各地で実施(38か所、70日間、約21,000名参加)した。うち7か所については、説明会の前後にその開催自治体へ出展した。
また、「対話活動改革アクションプラン」に基づき、JR金沢駅及びJR小倉駅において説明会の開催告知を兼ねたブースを出展(参加者数:金沢58名、小倉329名)し、金沢では地元のテレビや新聞に報道され、事業への関心を喚起した。
ジオ・ミライ号での出展(横須賀)
ブースの出展(JR小倉駅) - (エ)国際講演会の開催
『原子力と最終処分に関する日本・フィンランド共同セミナー』
(参加人数)約130名
(主催)日本:国と機構 フィンランド:雇用経済産業省、Posiva社、Fortum社
(開催日)2018年4月12日
(開催場所)建築会館ホール 東京都港区
(概要等)地層処分事業の先進国であるフィンランドの放射性廃棄物の処分の現状を中心に、日本とフィンランド両国の原子力分野における取組みから得られた経験と教訓を共有した。なお、パネルディスカッションでは、各主催組織の代表と辰巳菊子氏(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問)、伴 英幸氏(NPO法人 原子力資料情報室共同代表)による意見交換を行った。
これらの取組みは、冊子「世界とともに」として取りまとめ、説明会等で配布するなど、多様な方法による情報発信にも取り組んだ。
日本・フィンランド共同セミナー - (オ)学習支援事業の実施
全国各地の諸団体が自主的に行う地層処分に係る学習活動への支援事業については、諸団体のニーズを踏まえ、従来の「学習の機会提供事業」(企画書方式)を3か年の企画に対応できるよう「自主企画支援事業」(企画書方式)として制度変更するとともに、「選択型学習支援事業」(定められた支援メニューから選択していただくプラン)を新設した(自主企画実績:17団体、選択型実績:66団体)。なお、23都道府県81団体(自主企画と選択型の併用が2団体)が、本事業を活用して勉強会(117回)や施設見学(77回)などの学習活動を実施するとともに、その活動結果をメルマガやSNS等で広く情報発信(80団体)した。
また、Facebookに「学習支援事業交流ページ」を新たに開設し、学習団体間の交流が広がる仕組みを構築したほか、国との共催によりブロック別交流会(福岡、名古屋)や全国交流会(東京)を開催した。全国交流会では、第一部で「自分事として考えていただくために今何をすべきか」をテーマに国、機構、有識者等によるパネルディスカッションを実施し、その後、第二部で3つの分科会「活動事例の共有」、「異なる立場や多様な意見を理解するための参加型講演会」、「技術への信頼を醸成する伝え方とは?」に分かれて参加者同士が多様なテーマで意見を交わした。なお、第一部の模様はインターネットによりリアルタイムで配信(再生回数:149回)した。
さらに、当日の会場では、学習団体による情報発信の取組みについて紹介し、その中でとりわけ優れたものを当日の参加団体の投票等により選んでいただき表彰する企画「情報発信グランプリ」を実施するなど、学習団体の翌年度以降の新たな取組みの展開に繋がるよう工夫した。
全国交流会 - (カ)出前授業
全国の小中高等学校や大学等の教育現場へ機構職員が出向き、地層処分に関する説明やグループワーク形式による質疑、意見交換、緩衝材の材料として使う粘土であるベントナイトの実験等の分かりやすい情報提供に努めた。学校側や受講学生から高評価をいただき、次年度以降の継続的な実施が期待できる取組みとなった(20都府県 計49回 参加者数 約2,130名)。
十文字学園女子大学での出前授業 - (キ)ディベート授業
千葉大学における地層処分事業をテーマとするディベートの授業(40名受講)において、地層処分に関する説明や資料提供、関連施設の見学等の協力を行った。見学会やグループワークにおいては、ディベート試合の論旨の組み立てに関する活発な議論がなされるとともに、機構職員に踏み込んだ内容の質問がされるなど意欲的な姿勢が見られ、理解の深まりが得られた。
関連施設の見学(六ヶ所村) - (ク)教育関係者ワークショップ
昨年に続き、学校教育の場において地層処分事業を取り上げていただけるよう、全国の教育研究会等(9地域10団体)が行う授業研究に係るワークショップに対し、資料の提供や関連施設の見学等、授業の実践に向けて積極的な支援を行った。また、年度末には東京都内で全国研修会を開催(171名参加)し、全国各地から各教科の教育者に参加いただいた。研修会においては、それぞれの現場での授業の実践の事例紹介や課題等について熱心な情報交換が行われた(授業実践の開催:152回)。
全国研修会 - (ケ)次世代層への情報提供等
夏休み特別企画としてInstagramで「夏休みフォトコンテスト」を実施し約700作品の応募をいただいた。その中から10作品を入選作品として選出するとともに、ホームページ上で紹介した。
また、経済産業省子どもデーに「教えて、地層処分!」と題した実験ブースを出展し、地層処分に関する展示やベントナイトを使った科学実験の体験を行った(実験参加者数712名)ほか、夏休みイベント「丸の内キッズジャンボリー2018」、一般社団法人 原子力学会 関東・甲越支部主催「【身近なふしぎ探検隊】未来を見据えた原子力オープンスクール2018」へ出展した。
さらに、映像メディアなど最先端のデジタルコンテンツを学習するデジタルハリウッド大学が企画する、全国の在校生・卒業生を対象とするデザイン・映像コンペティションとの協働にも取り組んだ。コンペティションには「高レベル放射性廃棄物の処分問題に対する関心喚起」をテーマに全24作品の応募があり、うち13作品が実際に制作され作品発表が行われ、新聞やWebニュースで40件以上の報道があった。
丸の内キッズジャンボリー2018への出展 - (コ)報道関係者等への情報提供及び記事化に向けた取組み
説明会の開催に際しては、開催地の記者クラブに取材案内を積極的に行うとともに、地元の新聞社を訪問して地層処分事業の現状や機構の取組み、説明会の開催目的や実施概要等を丁寧に説明するなど、タイムリーな情報提供を行い報道いただいた。
また、事業に関する理解を深めていただくことを目的に、多様な分野の専門家や学会等へ適切に情報提供するための方法や発信先について、部門を越えて検討を行った。
- (ア)説明会の実施
- イ.地域特性を踏まえたきめ細かな対話活動
全国各地で各種対話活動を積み重ねつつ、「グリーン沿岸部」地域を中心に説明会を開催し、マップの位置づけ、要件・基準に加えて、諸外国における対話活動や事業が地域に与える影響に関する事例の紹介、さらに開催地域の断層等の地質環境特性など、地域特性も踏まえた資料を個別に用意して丁寧に説明するなど、事業に対する関心喚起を図り質疑応答を行った。また、こうした質疑応答を通じて機構としても地域の特性に関して理解を深めることが出来た。- (ア)「グリーン沿岸部」地域を中心とした説明会の実施
『「科学的特性マップ」に関する対話型全国説明会』
(県庁所在地及び中小都市、計32都市、参加人数673名)
(主催)国と機構の共催
(時期)2018年10月~2019年3月
(開催地)七尾、米子、浜田、八代、釜石、岐阜、熊本、綾部、豊岡、下関、四万十、能代、京丹後、豊橋、浜松、平塚、姫路、松本、佐伯、倉敷、広島、唐津、熊谷、丸亀、新宮、鶴岡、新居浜、松山、白石、北九州、長浜、阿南
(開催概要)地層処分事業の必要性をはじめ、マップを提示した目的やその位置づけ、事業が地域社会に及ぼす経済的影響等に関して説明し、続いて少人数グループに分かれた意見交換を行い、参加者の関心事やご質問にきめ細かくおこたえした。
参加者へのアンケートでは、説明前と比べ説明後の肯定的な意見の割合が増加していることから、一定程度の理解の深まりが得られた。また、対応した機構職員について、参加者の過半数以上から肯定的に評価していただいた。
<表1 「地層処分に関する考え方」説明前後の変化>
※「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計の全体に対する比率カッコ内は「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」の合計の全体に対する比率<表2 機構職員に対する肯定的意見> (n=673,単位:%)
全国説明会(豊岡会場) - (イ)自治体当局への情報提供等
上記「(ア)「グリーン沿岸部」地域を中心とした説明会の実施」の説明会の前後には、開催地及びその周辺の自治体を可能な限り訪問し、説明会の開催についてご案内を行うとともに、説明会の趣旨をお伝えするなど、事業への関心喚起を図った結果、一部の自治体職員の方に説明会へ参加いただくことができた。
- (ア)「グリーン沿岸部」地域を中心とした説明会の実施
- ウ.地域の学習活動の拡充・深化の支援
上記(1)ア.「(オ)学習支援事業の実施」に記載した全国的な学習支援事業に加えて、地域団体にきめ細かく対応する自主企画支援事業を新設し、自治体、経済団体、教育委員会等へ募集案内のパンフレットを送付した。また、地域の経済団体等(39団体)を訪問して事業の説明や施設見学会等の支援を行うとともに、説明会の概要等をお伝えするなど積極的に情報提供し、関心喚起と継続的な関係構築に努めた。 - エ.文献調査受け入れの判断を支援する取組み
上記イ.「(イ)自治体当局への情報提供等」に加え、説明会において、文献調査の具体的な進め方や海外先進国の地域共生に関する資料を加えるなど、積極的な情報提供に努めた。また、文献調査を受け入れていただいた場合に地域の将来像等について地域のみなさまに議論していただけるよう、調査対象の市町村をはじめ国及び関係機関との協議により設置される「対話の場」の運営への支援等に関する情報提供をどのように行うかについて国と検討を進めた。さらに、文献調査の進め方、文献調査計画書(案)や現地事務所設置を含む調査体制の整備等について検討を進めた。 - オ.広域的な情報提供と「応募」・「申入れ」に向けた環境整備
文献調査の受け入れを検討いただくための説明資料(パンフレット等)について、専門用語を最小限にし、イラストを活用するなど簡潔で分かりやすいものにすべく検討を進めた。
- (2)対話活動を効果的に充実させるためのマネジメント
- ア.公正性・信頼性が確保される運営企画の立案等
説明会の開催にあたっては、2018年1月に公表した「一般の方を対象とする会合等の実施等に係るルール」に則して運営するとともに、同ルールを説明会の会場入口など見やすい場所へ掲示するなど、機構職員全体で不適切事案の再発防止を徹底し、信頼の回復に努めた。
また、説明会の開催広告について、「手作り・直営」の観点から、代理店を使わず機構職員自らが掲載の交渉・手続きを行い、新聞をはじめ自治体広報誌、タウン誌、交通広告等への掲載を行った。
さらに、「対話活動改革アクションプラン」に基づき、合意形成・コミュニケーション等の専門家へのヒアリングを実施し、その結果を踏まえて対話活動の改善を図るとともに、取組み状況を評議員会に報告した。
その他に機構の取組みを分かりやすく簡潔にまとめた「地層処分レポート」を新たに作成し、自治体や経済団体等を訪問する際に活用するとともに、地層処分に関する概要説明DVDについて、表現の工夫や補足説明の追記、音が無くても内容が分かるように文字テロップを多用する等、より分かりやすく改善した。さらに、見学が困難な地下350mの研究施設を摸擬体験していただくことができるよう、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、「JAEA」という。)の幌延深地層研究センターの地下施設の見学を摸擬体験できるVR映像を作成する等、理解獲得のためのツールの充実を図った。
VR映像の一部(幌延深地層研究センター) - イ.効果的な事後広報の充実
地層処分事業に関心を持っていただいた方々や説明会等に参加できなかった方々に機構の様々な取組みをタイムリーかつ効果的に伝えるため、ホームページやSNS、メルマガを通じて、説明会や出前授業等のイベント情報を積極的に発信する等、数多くの方に情報が届くよう努めた。
さらに、報道機関に対し、説明会について報道いただきたい旨の働きかけを行い、記事化(278件)を得た。 - ウ.現場マネジメントの強化
上記「ア.公正性・信頼性が確保される運営企画の立案等」に記載の「一般の方を対象とする会合等の実施等に係るルール」については、説明会の実施結果を踏まえて必要の都度見直すとともに、「対話型全国説明会の中止判断基準ガイドライン」を新たに定め、自然災害発生時等の開催・中止の判断基準を明確化した。
また、説明会等の事前事後に担当する職員全員でミーティングを行い、社会のみなさまから寄せられる疑問や関心、気づき等について関係者で共有するとともに、必要に応じて説明資料の修正やQ&Aの追加を行う等、絶えず説明内容の充実に努めた。 - エ.社会的側面等の調査・研究・立案の取組み
地層処分事業に係る社会的側面に関する社会のみなさまの関心にお応えするべく、様々な分野の専門家や研究チームによる研究の支援(7研究)を開始した。支援にあたっては、外部の有識者・専門家からなる運営委員会による研究支援先の選定等を通じて中立かつ公正性を確保する事業スキームを構築し、適切な運営に努めた。また、地層処分事業の地域への経済的影響や関係法令等についての調査を行った。 - オ.実施結果の分析・自己評価及び改善
2017年度の対話活動成果の自己評価と評議員会による評価・提言及び「対話活動改革アクションプラン」への対応状況報告の結果を踏まえて対話活動目標を設定し、達成に向けて活動内容等を見直した。
- (3)対話活動を円滑に実施するための人材の育成・体制整備
対話活動を効果的に実施するため、昨年度に続き、機構職員が地層処分事業に関する知識を深めるための勉強会「深掘会」を4回開催した。また、総合的かつ実践的な対話能力の向上を目的にロールプレイング研修を5回、外部専門家によるファシリテーション研修を3回実施した。なお、ファシリテーション研修においては、記者の取材にも的確に対応できるよう外部専門家のアドバイスを受けた。さらに、「対話活動改革アクションプラン」に基づく顔の見える対話活動の促進に向けて、北海道大学の科学コミュニケーター養成講座を受講した。
1-2 技術的信頼性の一層の向上と計画的な技術開発
-
(1)「包括的技術報告書」等を活用した地層処分技術集団としての信頼獲得のための情報発信
- ア.「包括的技術報告書」のレビューを通じた技術的信頼性の更なる向上
地層処分の安全をどのように確保して事業を実施していくのかに関して、これまでに蓄積されてきた科学的知見や技術を統合して包括的に説明し、事業者の立場から技術的取組みの最新状況を示した「包括的技術報告書」を作成し、11月21日にホームページで公表するとともに記者会見を通じて詳しく説明し質疑を行った。
「包括的技術報告書」では、大きく、以下の点を示した。- ①我が国において地層処分に適切な地質環境を選定するための調査・評価技術、及び地層処分に対する要求事項(安全性、工学的成立性、回収可能性など)を満足する処分場を設計し、設計された処分場を建設・操業・閉鎖するための工学技術
- ②処分場の閉鎖前(操業時)の安全性及び閉鎖後長期の安全性(およそ100万年後までの間の処分場を含む地質環境の変化の可能性を踏まえた地上の人間環境に与える放射線影響)を評価するための安全評価技術
- ③地層処分にとって適切な地質環境を選定し、適切に設計・操業・閉鎖することにより、国際機関が提案する安全基準、あるいは国内類似施設に関する最新の安全基準を満足する地層処分が実施可能であること
- イ.「包括的技術報告書」等を活用した分かりやすい情報発信
「包括的技術報告書」の公表に併せ、同「報告書」を中心とした技術開発成果を発信してコミュニケーションを図るための特設サイトを整理してホームページに公開(アクセス数:約18,000pv)した。また、地層処分に関する技術的なQ&Aについて、回答の技術的根拠等に関する詳細説明を拡充するとともに、それらをデータベースシステムとして整備するための検討を進めた。また、「包括的技術報告書」を作成した意義と主要なメッセージについて幅広い皆さまにご紹介する一般向け説明会(2019年4月)及び「包括的技術報告書」の技術的内容をご紹介する専門家向け説明会(2019年5月)の開催に向けて準備を進めた。特に前者の説明会については、「地層処分の安全性について、どのように対話することが必要か」をテーマとしたパネルディスカッションを開催し、「包括的技術報告書」に記載している技術的に難解な地層処分の安全性に関して対話を促進していくための取組みのヒントを探る計画とした。
この他の情報発信の取組みとしては、国内外の様々な分野で学会発表等を行うとともに、今後の機構の活動について知っていただくために、地層処分研究開発に関する全体計画(平成30年度~平成34年度)を踏まえて策定した機構の「地層処分事業の技術開発計画(2018年度~2022年度)」(以下、「中期技術開発計画」という。)をホームページで公表するなど、社会のみなさまの関心に応じた技術情報の提供を行った。<学会発表・ワークショップ等 実績>
OECD/NEA主催のSafety Caseシンポジウムでの発表
- (2)地層処分技術の一層の信頼性向上のための計画的な技術開発
「中期技術開発計画」の策定を踏まえ、地層処分技術に対する一層の信頼性並びに経済性及び効率性の向上に資する技術開発を「中期技術開発計画」において大別した以下の主要項目に則して実施した。
-
- ア.地質環境の調査・評価技術
文献調査及び概要調査に適用する調査・評価技術の信頼性の向上を目的として、自然現象の影響評価手法や地質環境特性の長期変遷のモデル化技術の高度化を進めた。具体的には、自然現象の影響シナリオの設定手法や発生可能性の評価手法の高度化に向けた検討を進めた。また、米国ローレンスバークレー国立研究所(LBNL)との共同研究((3)ウ.(コ)参照)により、断層の変位とそれに伴う水理・力学的挙動を評価するための連成解析コードの検証に着手した。
さらに、長期に亘る地形変化に関する情報を整理するとともに、地形の起伏及び地質構造の時間変化を考慮した地下水流動・物質移行解析を行うための基盤となる地形モデル及び地質構造モデルの構築を進めた。
加えて、概要調査に向けた地質環境調査・評価技術の体系化及び高度化に向けて、一般財団法人電力中央研究所(以下、「電中研」という。)(3)ウ.(ウ)参照)及びスイス放射性廃棄物管理協同組合(以下、「Nagra」という。)との共同研究等((3)ウ.(ケ)参照)を通じて、ボーリング孔の掘削・調査及び長期モニタリングに関する最新技術の導入や既存技術の改良等を進めた。また、国際共同プロジェクト等を活用してボーリング孔の閉鎖技術の整備に着手した。
この他、地質環境データを体系的に管理・運用するためのデータベースの整備を進め、地質環境の調査・評価のための技術基盤の強化を図った。 - イ.処分場の設計と工学技術
安全確保を第一に経済合理性や調達の多様性を考慮した人工バリアの代替材料に関し、鋳鋼製オーバーパックの適用性に関する評価をJAEAとの共同研究((3)ウ.(イ)参照)やNagraのグリムゼル試験場でのMaCoTe(Materials Corrosion Test)プロジェクト((3)ウ.(キ)参照)により進めるとともに、銅コーティングオーバーパックの適用性に関する評価をカナダ核燃料廃棄物管理機関(NWMO)との共同研究((3)ウ.(サ)参照)により進めた。また、緩衝材の材料であるベントナイトに関して、6種類のベントナイトの透水性や膨潤性等の性能確認に関する試験を電中研との共同研究((3)ウ.(ウ)参照)により実施した。
さらに、JAEAとの共同研究((3)ウ.(イ)参照)において、ベントナイトの長期圧密試験を実施し、緩衝材の長期力学挙動に関するデータ取得を進めるとともに、オーバーパックの腐食に影響を及ぼす緩衝材中に共存する腐食性微生物群集に関する評価に着手した。
加えて、人工バリアの製作・施工技術に関し、PEM(Prefabricated Engineered Barrier System Module)に関する検討を進め、その仕様や搬送・定置に関する設計を実施するとともに、TRU廃棄体パッケージに関して安全性向上の観点から閉じ込め性をより高めるための仕様の検討を進め、さらに処分場建設及び操業の安全性を確保する技術として、遠隔操作化技術・自動化技術に関する検討も進めた。
これら人工バリアの代替材料の評価、製作・施工技術の検討及び地下施設の設計に関する検討をもとに、安全性の確保を大前提としつつ、経済合理性についても追及するべく、処分場の設計検討を開始した。
この他、閉鎖前の処分場の安全性評価に関し、地下火災リスクへの対応等、操業安全に関するOECD/NEAの専門家グループ検討会(EGOS(Expert Group on Operational Safety))に参加((3)ウ.(エ)参照)し、各国の参加機関が検討を進めている対応策に関するレポートの取りまとめを機構の主導により開始した。さらに、安全性を損なわない回収可能性を確保するための工学的対策の検討を進め、この中でTRU廃棄物のPEM化等に関する検討にも着手した。
- ウ.閉鎖後長期の安全性の評価技術
閉鎖後長期の安全性に関する評価技術の信頼性向上のため、シナリオ構築技術の高度化、核種移行解析モデルの高度化及び核種移行解析に用いるパラメータに関するデータの整備等を実施した。
シナリオの構築技術の一層の信頼性を確保するためには、地層処分システムの状態の長期的な変遷を科学的論拠に基づき予測することが重要であることから、我が国の地下水水質の多様性を考慮した条件下で人工バリア(ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材等)の長期的な溶解及び変質挙動に関するデータ取得を、JAEAとの共同研究((3)ウ.(イ)参照)により継続して進めた。
核種移行解析モデルに関しても一層の信頼性を確保するためには、地層処分システムの長期的な状態の変遷を考慮することが必要であることから、Nagraのグリムゼル試験場において国際共同研究プロジェクト((3)ウ.(キ)参照)として進められている、原位置の岩盤中及び材齢の長いセメント系材料中における核種の拡散試験(LTD(Long Term Diffusion)及びCIM(Carbon and Iodine Migration))等への参加を通じて、モデルの妥当性の評価や高度化に資するデータの取得を進めた。また、地下水流動・物質移行解析モデルで取り扱う空間的スケールの拡張を進めるとともに、生活圏評価モデルに関しても地質環境の長期的な変遷の取扱いの検討に着手した。
さらに、核種移行解析で用いる地層処分環境下での放射性核種の溶解度や収着分配係数等のパラメータのデータ整備に関して、我が国の地下水水質の多様性を考慮した条件でのデータの拡充をJAEAとの共同研究((3)ウ.(イ)参照)により継続して進めるとともに、生活圏評価に係わる放射性核種の土壌の収着分配係数に関するパラメータに関しても、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構放射線医学総合研究所との共同研究によりデータの拡充に着手した。
-
- (3)事業の実施に必要となる技術マネジメントの一層の強化
- ア.技術マネジメントの推進
事業の基盤を確かなものとし、地層処分技術の持続的な改善と向上を図るため、以下の技術マネジメントに関する取組みを実施した。- (ア)業務プロセスの改善を目的に、日々の業務で不適合等が発生した場合の再発防止及び未然防止の取組みとして、是正措置プログラムを展開するとともに、現場作業安全技術文書の品質確認に関する要領書を改定するなど、品質マネジメントの一層の強化を進めた。
- (イ)技術開発に係わる業務の品質をより確かなものとするため、「自ら実施する業務」として、地質環境評価・処分場設計・安全評価に係わる数値解析で用いる解析コードを導入し、そこで用いられるモデルやデータに対する理解の向上に努めた。
- (ウ)「委託により実施する業務」に関しては、不適切事案の再発防止策に基づく委託業務の管理強化の観点から、リスク管理室と連携して、委託に関わるリスクアセスメントを実施するとともに、委託先にもリスクアセスメントの実施を求めるなどの取組みを進めた。また、委託先選定に関する技術審査基準に関して「委託先(再委託先を含む)の事業内容について機構の経営理念等に反するおそれがないこと」の評価項目の追加や「審査員に外部有識者を加える」など改訂を行った。さらに、委託等に関する要領書について改善点を抽出して改訂等を実施した。この中では共同研究を適用する考え方もあわせて整理した。
- (エ)処分地選定、処分場の設計及び安全評価に求められる要件等を実際の処分地選定の調査計画へ展開するための机上演習等を進めた。
- (オ)これまでにJAEAや電中研等の基盤研究機関との共同研究を通じて移転された技術や、「包括的技術報告書」の取りまとめにあたって整理してきた、地質環境の調査・評価結果、処分場設計の内容、安全評価の内容、及び国内外の最新の知識・情報の管理等を体系的に整理するとともに、追跡性、検索の容易性を確保した管理システムを構築するため、国内外の関係機関と意見交換を行い、IT技術の活用も考慮した機構の知識マネジメントの検討を進めた。
- (カ)国内外の放射性廃棄物処分に対する規制動向に関する情報収集を実施し、我が国の地層処分事業に反映された場合の影響について検討を進めた。また、「包括的技術報告書」の内容や技術開発の計画・成果等に関して、ベンチマークにより内容の充実を図った。具体的には、技術アドバイザリー委員会を以下のように開催して指導・助言を得るとともに、評議員会や技術開発評価委員会による評価・提言を踏まえて、地層処分技術の信頼性の確保に向けた機構の技術開発の進め方の適正化を図った。
<技術アドバイザリー委員会 開催実績>
- イ.技術開発を支える人材の確保と育成
地層処分事業が長期に亘る事業であることを見据えた技術人材の確保に取り組み、新卒1名及びキャリア1名の技術系職員を採用した。
また、職員の技術能力の強化及び研究インフラを有する国内外の関係機関との一層の連携強化の観点から、特に若手を中心に、JAEAやNagraとの共同研究に職員を派遣し、OJTを通じて技術能力の向上に取り組むほか、放射線管理や原子力安全等に関する基礎的知識に関する教育機会の充実を図るとともに、トンネル工事の現場業務へ職員を派遣して経験を積ませる等、機構の技術系職員として要求される技術能力の習得に取り組んだ。さらに、国と地層処分に関する研究開発機関(JAEA、電中研、(国研)産業技術総合研究所、(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター)と機構が連携して、地質調査、処分場設計・建設・操業、安全評価に亘る専門的知識の習得の機会として研修プログラムを創設、開催して、地層処分に携わる幅広い分野の若手技術者を対象とする人材育成に取り組んだ。
また、実際の処分地選定の調査計画へ展開するための机上演習等に関しては((3)ア.(エ)参照)、技術部全体として取り組み、若手職員から一定レベルの経験を積んだ技術者まで参加して職場総合力とチーム意識の向上に努めた。
この他、「対話型全国説明会」の少人数グループに分かれた意見交換に技術系職員も参加(41名中28名)して技術的な説明を行うとともに、機構内のロールプレイング研修等を通じて、対話能力の向上に積極的に取り組んだ。
関係5機関の合同研修 - ウ.関係機関等と連携した技術開発の推進及び技術交流・国際貢献
実施主体としてリーダーシップと企画力をもって我が国における地層処分技術の開発を推進するため、国内外の関係機関との連携を強化するとともに、国際機関の活動や国際共同研究プロジェクトに参画し、情報交換や共同研究を通じて効果的かつ効率的な技術開発に努めた。具体的な取組みを以下に示す。- (ア)国の委託事業(9事業)の委員会にアドバイザー(技術系職員23名)を選出、参加し、研究成果を共有するとともに、機構の技術開発ニーズを提示した。
- (イ)JAEAとの共同研究により、JAEA核燃料サイクル工学研究所の研究施設において、鋳鋼製オーバーパックの長期腐食試験、緩衝材の長期圧密試験、ガラス長期溶解試験、オーバーパックと緩衝材の相互作用及びセメント系材料と緩衝材の相互作用による長期変質試験、多様な地下水水質条件での放射性核種の溶解度、収着分配係数等の核種移行パラメータに関するデータ取得等を継続的に実施した。
- (ウ)電中研との共同研究により、緩衝材材料であるベントナイトの代替材料の性能確認試験を実施するとともに、ボーリング孔の掘削・調査技術の整備に関する共同研究の2019年度からの開始に向けて調整を進めた。
電中研との共同研究
(ベントナイトの代替材料の性能確認試験) - (エ)OECD/NEAの放射性廃棄物管理委員会(RWMC)の定例会合(4月、3月)やビューロー会議(9月、1月)に参加するとともに、セーフティケース統合グループ(IGSC)の定例会合に参加し、地層処分事業の取組みに関する議論を通じて、各国の活動状況の把握に努めた。また、国際的な重要課題に関する会議体や関係プロジェクトとして、泥質岩の調査や性能に係わる検討会(9月)、結晶質岩の調査や性能に関する検討会(6月、9月、3月)、操業安全に関する専門家グループ検討会(EGOS)等の取組みに参画し、活動状況の把握に努めた。さらに、NEA・国共催の地層処分の理解を深める対話活動に関する国際ワークショップ(11月)の支援や、新規のプロジェクトRIDD(放射性廃棄物処分に関する規制当局と実施主体との対話)の今後の計画に関する会議に参加するなど、OECD/NEAの取組みに積極的に参加した。
- (オ)国際原子力機関(IAEA)の地層処分計画のロードマップに関する専門家会合(10月)に出席し、サイト調査のマネジメントに関する技術指針等を取りまとめた報告書の作成に協力するとともに、技術協力研修員3名の受け入れ(12月)や技術研修への協力等、国際貢献に努めた。
- (カ)各国の地層処分の実施主体で構成される放射性物質環境安全処分国際協会(EDRAM)の処分コスト評価に関するワーキンググループの会議(5月)に出席し、これまでの処分コストの比較・分析作業の活動状況を取りまとめるとともに、コスト評価に係る各国の活動状況についてメンバー間で意見交換を実施した。
- (キ)グリムゼル試験場を利用した国際共同研究プロジェクトとして参画しているMaCoTe、LTD、CIM等の各プロジェクトの検討会合(7月、11月)に参加し、プロジェクトの進捗状況を確認するとともに、原位置試験に供した試料分析等の計画や次期試験の計画を議論し、機構ニーズについて調整を行った。
- (ク)エスポ岩盤研究所(スウェーデン)を活用した国際共同研究プロジェクトの情報と成果の利用に関する協定に基づき、パートナー会議(6月、8月、9月)を開催し、ボーリング孔閉塞技術の実証試験や機構の横置き・PEM方式に類似した概念であるKBS-3Hの実規模解体試験の進め方について議論するとともに、地質環境モデル構築に関するワークショップ(11月)に参加し、モデル構築に係わる科学的知見の収集を行った。また、運営会議や技術情報会合(11月)に出席し、スウェーデン核燃料・廃棄物管理会社(SKB)がエスポ岩盤研究所で実施中の試験の概要や成果、今後の計画に関する情報収集を行った。
- (ケ)地質環境調査・評価技術の体系化及び高度化等の品質マネジメントに関するNagraとの共同研究において、掘削泥水の影響を考慮した地下水調査手法に関する情報収集を行うため、若手職員を派遣して(9月)、掘削泥水が地下水水質及び岩盤の水理特性に与える影響評価等に関する技術の習得を進めた。
- (コ)断層及び断層破砕帯における水理・力学挙動に関する調査、解析、評価技術に関するLBNLとの共同研究を進めるため、関係者間の会議(5月、2月、3月)を開催して、試験装置の性能確認に関する試験の実施状況や地質構造モデルの構築・検証に関する今後の進め方等を確認した。
- (サ)銅コーティングオーバーパックの適用性に関するNWMOとの共同研究に関して、定例会議及び国内の専門家を招聘した情報交換会(いずれも11月)を開催し、地層処分環境下での銅の耐食性評価や製作技術の開発状況について確認するとともに、課題を共有した。また、課題を踏まえた今後の技術開発計画について、NWMOとの定例会議(3月)を開催して議論した。
- (シ)2019年度に機構が主催する第16回ナチュラルアナログ・ワーキンググループ(NAWG)会議に関して、NAWG議長との意見交換を行った(5月、1月)。また、台湾の大学関係者と地層処分に関する情報交換(7月)を実施するとともに、台湾の規制機関主催の高レベル放射性廃棄物処分セミナー(11月)に出席して意見交換するなど、国際貢献に努めた。この他、ドイツ連邦放射性廃棄物機関(BGE)と協力協定を改定し、協定調印と意見交換会運営会議(10月)を実施するとともに、韓国原子力環境公団(KORAD)との協力協定を改定し、協定調印・運営会議(11月)を実施するなど、海外関係機関との連携や技術交流を積極的に進めた。
BGE-NUMO協力協定の更新
KORAD-NUMO協力協定の更新
1-3 文献調査の円滑な着手に向けた取組み
2018年度は、文献調査を受け入れていただける地域を得ることができず、文献調査の着手には至らなかったものの、その準備として上記1-1(1)エ.に記載のとおり、文献調査を受け入れていただいた際の機構の標準的な取組内容について、国と検討を進めた。また、1-2(3)ア.(エ)のとおり、処分地選定、処分場の設計等に関する机上演習等を行った。
1-4 事業活動の更なる高度化に対応した組織運営
- (1)ガバナンスの一層の強化とリスクマネジメントの徹底
- ア.リスクマネジメント活動の強化
各種業務について、リスクの洗い出しと評価を踏まえて対応策を策定・実施し、その実施状況を恒常的にモニタリングして必要となる改善を進め、リスク顕在化の未然防止を図った。また、リスクマネジメント委員会を定期的に開催して、リスクマネジメント活動の評価を行うとともに、リスク顕在化事例やグッドプラクティスを共有し、リスクマネジメントの取組みの徹底とレベル向上を図った。さらに、役職員向けに機構内外のリスクマネジメントについて紹介する「リスマネ便り」の発行や機構外の専門家を招聘した研修の実施等により、リスクマネジメントに対する役職員の意識と理解の向上を図った。
さらに、危機が発生した際に迅速・的確に対応できるよう、「危機対応規程」及び「同運用細則」を制定するとともに、危機対応の考え方や危機発生時の対応方法等について研修を実施した。加えて、外部の専門家の指導・助言を得て「危機対応訓練5か年計画」を策定の上、地震を想定した危機対応全体訓練を実施した。 - イ.理事会による職務執行状況の確認等
非常勤理事を1名増員して監督機能の強化を図るとともに、理事会を定期的(5回)に開催して理事の職務執行状況を確認した。さらに、コンプライアンス相談窓口に係る秘密保持等の体制を充実させるための「コンプライアンス相談窓口規程」の改定、リスク管理室を設置したこと等を踏まえた「業務の適正を確保するための体制の整備について」の内容の修正、「危機対応規程」の制定等について決議した。 - ウ.情報セキュリティ対策の強化
標的型攻撃メールへの対応訓練や内部研修を実施して役職員のセキュリティ意識の向上を図るとともに、情報漏えい防止に係るシステム対応の強化や高度化するサイバー攻撃への対応を継続的に進めた。
- (2)絶えざる業務改善と「学習する組織」づくり及び「チーム意識」の向上
- ア.単年度及び中長期的な視点におけるPDCAの実践
評議員会を4回開催して業務の実施状況について報告するとともに、評議員会からいただいた評価・提言等については、速やかに業務に反映して業務改善を図った。また、評議員会の提言を踏まえた再発防止策については、個別に実施状況の自己点検を行い着実に取り組むとともに、定期的に評議員会へ報告した。
さらに、「文書作成マニュアル」を制定するとともに、内部会議による業務実施状況の自己点検や内部監査、業務効率化とコスト削減に関する部門横断のワーキングの検討等の結果を踏まえて、業務改善と効率化を継続的に進めた。
また、中期事業目標の実現に向けた事業全体の進捗状況について、2017年度事業報告において確認・評価を行った。 - イ.「学習する組織」づくり
諸外国における地層処分事業の動向等の業務関連情報を機構内で共有するとともに、外部専門家による機構内研修を開催して社会的な議論や紛争を伴う施設の建設事例等について学んだほか、業務に関わる機構外研修の受講を通じて、役職員の知識・スキルと組織力の向上に努めた。
さらに、部門横断のワーキングを設置してマニュアルやチェックリスト等を整備し、業務の標準化に取り組んだ。 - ウ.「チーム意識」の向上等
事業運営におけるリスク管理の徹底や社会からの信頼獲得のため、経営理念を改定するとともに、執務室内への経営理念の掲示、全職員への「経営理念カード」の配付等により定着を図った。
また、役職員一丸となって業務遂行にあたるチーム意識の向上を図るため、各種研修のプログラムに部門横断メンバーによるディスカッションを取り入れたほか、各職員の年度業務目標の設定にあたってチームワークに係る事項を追加した。
- (3)業務委託の厳選と管理の徹底
- ア.業務委託の厳選
業務を委託する場合の具体的要件を業務委託基準に追記して、判断基準を明確化した。また、意見交換会の参加者募集に関する事案の再発防止策の履行状況について、業務主管箇所における業務委託の必要性やリスク対応等の検討状況を業務主管箇所以外の複数部門で確認する体制を整備した。 - イ.再委託先管理の徹底
再委託に関しては、「再委託審査書」による再委託先の申請及び承認を適切に実施するとともに、「業務委託契約における再委託に関する取扱要領」を改定し、適切な運用に努めた。また、委託先管理の取組み状況に関する内部監査や、契約業務に関する役職員向けの説明会等を通じて、再委託先管理のルールの徹底と意識の向上を図った。
- (4)組織体制の整備
-
文献調査の受け入れを目指した対話活動の更なる充実と事業の進展等に柔軟に対応するため広報部を設置するとともに、地域交流部の分掌事項を見直した。
また、職員が所属部署の所在地と異なる勤務地に継続的に勤務する場合を想定して、「職員就業規則」等を改定した。
-
文献調査の受け入れを目指した対話活動の更なる充実と事業の進展等に柔軟に対応するため広報部を設置するとともに、地域交流部の分掌事項を見直した。
- (5)人材の確保と育成等
- ア.中期的視点に基づく人材確保・育成の方針の策定
中期事業目標を達成するために必要となる人材の計画的な確保と育成に向け「中期人材確保・育成方針」を策定した。 - イ.計画的な人材の確保
大学訪問、就職セミナーへの参加、就職説明会の開催等、積極的な採用活動を展開し、2018年度は、新卒者5名、キャリア採用2名の計7名の採用、2019年度は、新卒者4名、キャリア採用2名の計6名(2019年4月1日付)の採用を計画するなど、「中期人材確保・育成方針」に基づき、事業の更なる進展に備えて計画的な人材確保に努めた。
こうした職員のプロパー化に向けた取組み等により、全職員115名に占めるプロパー職員比率が2017年度末から7%上昇して53%(2019年4月1日現在)となるなど、長期に亘る事業展開を見据えた人材確保は着実に進んでいる。 - ウ.計画的な人材の育成等
若手、中堅、新任管理職向けなど職員の経験やスキルに応じた階層別研修を通じて、計画的に人材育成を進めた。また、長期的な視点から人材育成を進めるため、職員本人の意向と上司から見た適性を把握するための「キャリアデザインシート」を導入した。
さらに、日々の労務管理の徹底や内部監査による労働時間管理の実態調査を通じて適正な労務管理に取り組んだほか、日々のOJTに加え、コンプライアンス研修や情報セキュリティ研修、セクハラ研修やメンタルヘルス研修、eラーニングの受講等により、職場総合力の向上と働きやすい良好な職場環境の醸成を進めた。
階層別研修(実践力向上研修)
- (6)適切な情報公開
- 情報公開請求6件を受け、情報公開審査委員会を開催し、「情報公開規程」に基づき順次対応した。
1-5 拠出金の徴収
2018年度の拠出金納付対象事業者は5法人であり、拠出金(228億円:第一種最終処分業務分169億円、第二種最終処分業務分59億円)を徴収し、公益財団法人原子力環境整備促進・資金管理センターに積み立てた。
2.当該事業年度の理事会の開催状況及び主な議決・報告事項
2018年度は、5回の理事会を開催し、経済産業大臣への認可・承認申請に関する事項等、機構の業務運営の基本的な事項について議決した。理事会の開催状況及び主な議決・報告事項は、次のとおりである。
- 第87回 理事会 2018年4月24日
- (1)「業務の適正を確保するための体制の整備について」の決議について(案)
- (2)契約職員(無期)就業規則の制定について(案)
- (3)職員就業規則の改定について(案)
- (4)外部からのご意見を踏まえた対話活動改革アクションプランの検討結果について
- (5)2017(平成29)事業年度 業務執行状況及び今後の取組み
- (6)第10回リスクマネジメント委員会審議結果報告
- (7)情報セキュリティ確保への対応状況について
- (8)コンプライアンスの遵守及び推進に係る実施状況について
- 第88回 理事会 2018年6月12日
- (1)定款の変更について(案)
- (2)役員候補者の評議員会への提案について(案)
- (3)2017(平成29)事業年度財務諸表(案)
- (4)「業務の適正を確保するための体制の整備について」の決議について(案)
- (5)広報部の設置と地域交流部等の分掌事項見直しについて(案)
- (6)監査報告
- (7)評議員による評価・提言の進捗状況について
- (8)評議員会の提言を踏まえた再発防止策等の取組状況
- (9)2018(平成30)事業年度 業務執行状況及び今後の取組み
- 第89回 理事会 2018年9月11日
- (1)役員候補者の評議員会への提案について(案)
- (2)コンプライアンス相談窓口規程の改定について(案)
- (3)職員就業規則、再雇用嘱託就業規則及び旅費規程の改定について(案)
- (4)評議員会による評価・提言への対応について
- (5)対話型全国説明会の実施結果と今後の対応
- (6)包括的技術報告書について
- (7)評議員会の提言を踏まえた再発防止策等の取組状況
- (8)2018(平成30)事業年度 業務執行状況及び今後の取組み
- (9)機構業務に関連する最近の状況
- 第90回 理事会 2018年11月22日
- (1)2019(平成31)事業年度 事業計画策定の方向性(案)
- (2)「危機対応規程」の制定及び「災害対策規程」の廃止について(案)
- (3)対話活動改革アクションプランの実施状況について
- (4)地層処分事業に係る社会的側面に関する調査研究支援の実施について
- (5)概要調査計画策定に関する机上演習の計画及び実施状況について
- (6)第11回リスクマネジメント委員会審議結果報告
- (7)2018(平成30)事業年度上期 業務執行状況及び今後の取組み
- 第91回 理事会 2019年2月22日
- (1)2019(平成31)事業年度 事業計画・予算・資金計画(案)
- (2)対話活動改革アクションプランの実施状況と今後の取組みについて
- (3)評議員会の提言を踏まえた再発防止策等の取組状況
- (4)2018(平成30)事業年度 業務執行状況及び今後の取組み
3.当該事業年度の評議員会の開催状況及び主な審議事項
2018年度は、4回の評議員会を開催し、機構の運営に関する重要事項について審議した。評議員会の開催状況及び主な審議事項は、次のとおりである。
- 第55回評議員会 2018年6月13日
- (1)定款の変更について(案)
- (2)役員の選任について(案)
- (3)2017年度業務実施結果に対する評価・提言について
- (4)2017(平成29)事業年度 財務諸表
- (5)監査報告
- (6)評議員会の提言を踏まえた再発防止策等の取組状況
- 第56回評議員会 2018年9月18日
- (1)役員の選任について(案)
- (2)評価委員会の委員選任について(案)
- (3)2017事業年度評価・提言への対応について
- (4)対話型全国説明会の実施結果と今後の対応
- (5)包括的技術報告書について
- (6)評議員会の提言を踏まえた再発防止策等の取組状況
- (7)機構業務に関連する最近の状況
- 第57回評議員会 2018年11月20日
- (1)2019(平成31)事業年度 事業計画策定の方向性(案)
- (2)対話活動改革アクションプランの実施状況について
- (3)地層処分事業に係る社会的側面に関する調査研究支援の実施について
- (4)概要調査計画策定に関する机上演習の計画及び実施状況について
- (5)2018(平成30)事業年度上期 業務執行状況及び今後の取組み
- 第58回評議員会2019年2月14日
- (1)2019(平成31)事業年度 事業計画・予算・資金計画(案)
- (2)対話活動改革アクションプランの実施状況と今後の取組みについて
- (3)評議員会の提言を踏まえた再発防止策等の取組状況
- (4)2018事業年度業務実施結果に対する評価・提言の進め方について
Ⅲ.2018年度資金計画実績表
本事業報告書は、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(第六十五条)に基づき、経済産業大臣の承認を得ておりますが、画像(写真)及びその説明は、承認を得た事業報告書には含まれておりません。