実施日時 | 2015年3月5日(木)13:25-14:15 |
実施場所 | 東京都八王子市立陵南中学校 |
対象 | 中学3年生 27名 |
当日の様子
2015年3月5日、東京都八王子市立陵南中学校において、「科学技術と人間 エネルギー資源」の単元にて原子力発電や高レベル放射性廃棄物、地層処分についての学習が行われました。
本実践はNUMO協力の下、実験を交えた授業となりました。
授業の前半では、前時の復習をしつつ原子力発電の仕組みや原子力発電の問題点について考えました。その後NUMOの提供したビデオ(地層処分とは)を視聴し、地層処分について理解を深めました。
授業の後半では地層処分で緩衝材として使われるベントナイト実験をし、ベントナイトの性質を確認しました。実験の中で、「これでいいのだろうか」「何億年後にはどうなっているだろうか」と、地層処分についての議論を深める子どもたちがいたのが印象的な授業でした。
最後に、地層処分についておさらいをした後、先生より「今回勉強した地層処分はひとつの提案で、最善の方法かはわかりません。ぜひ家の人とも、どんな方法がいいのか話し合ってみてください」とまとめがありました。
中学3年生1クラスで行った
八王子市立陵南中学校教諭 中島氏
指導案
授業展開・内容 等 | 支援・配布資料等 | 授業の様子 | |
5 分 |
導入
・色々な発電方法の再確認する |
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15 分 |
ビデオ視聴・ビデオを試聴する |
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8 分 |
様々な処分方法・放射線の種類によって透過力が異なることを押さえる。α線、β線、X線の透過力についても触れる。 ・原子力発電によってできた高レベル放射性廃棄物はどのようなもので、遮へいしたらいいだろう ・地層処分の方法 |
プリント |
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15 分 |
ベントナイト実験・実際の技術として金属によるオーバーパックが検討されていることを紹介する。 |
・NUMOによる支援 |
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7 分 |
まとめ・将来のエネルギー政策は政府が考える最中であるが、現状をどのように理解し、何が地球にとって良いのか理解を深める。 |
授業を終えて
中島先生のコメント
今日の授業を受けた生徒の中には、出した人が責任を持って処理をすればいいのに、という感想を持った生徒は何人かいたと思います。また、ウランなどの原料は広いところから集めたので、集めたところに全部戻せば問題ないのではないか、と考えている生徒もいます。集めたのだから逆もできるのではないか、まとめて捨てるのではなくて高レベルにならないようにして捨てれば問題ないのではないか、という考えになります。
授業では、放射線が出るよ、ゴミが出るよという事や、高レベル放射性廃棄物はすでに出てしまっているという事実を伝えることはできます。ただ、地層処分が良いか悪いか、これしかないんだという論理の持っていきかたというのは疑問に思う者がいっぱい出てくると思います。そうすると理科で扱うのは難しく、道徳とか社会科とかで扱うところになると思います。理科の授業としては高レベル放射性廃棄物の処分方法の結論が地層処分になっているので全部の資料が地層処分についてのものになっています。しかし、それ以外の処分方法を考えるという意見を言える余裕を作ってあげなくては駄目なのではないかと思います。
長年かかる事業だからこそ、「もっと違う方法もあるのでは?」と子どもたちに考えさせることも一つの方法だと思いました。