提言作成のポイント
文章作成・動画制作に共通するポイント
Point 1 科学技術論文の形式を意識しよう!
みなさんの想いを多くの人に届け、共感を得て理解してもらうためには、論理的で一貫性のある文章構成が求められます。科学技術論文の形式に『IMRAD形式』があるのはご存知ですか。序論(Introduction)、 材料と方法(Materials and methods)、結果と考察(Results and Discussion)そして、結論(Conclusion)。各項目をわかりやすく、丁寧に記述することがよりよい作品の完成につながります。
Point 2 タイトルは作品の顔!
読み手はタイトルでひきつけられ、作り手の意図を知り、どのような提案がなされるのかを期待しながら読むものです。特に、提言のような文章は本文の内容に過不足のないタイトルをつけることが大切なので、文章を書き終えてからつけたほうが内容に沿ったものになりやすいです。
Point 3 地層処分の背景も忘れずに!
どのような優れた科学技術でも社会に受け入れられなければ利用には至りません。高レベル放射性廃棄物処分は、技術的に確立されていても、社会的合意を得ることが困難な課題です。そのため、なぜ、それが必要なのか。この課題の背景に何があるのかについても目を向けることが大切です。例えば、日本のエネルギー事情やエネルギー教育の現状、放射線理解について少しでも触れることで、提言により深みが出ます。
動画制作のポイント
Point 1 コミュニケーションを大切に!
動画といえども一対一のコミュニケーション。一方通行にならないように注意しましょう。画面を通して作り手がいて、その向こうには視聴者がいるのを忘れずに、対話をする気持ちで制作に取り組んでみましょう。もちろん、言葉は丁寧にしなければいけませんが、友達に話しかけるような、少し肩の力を抜いた表現でも大丈夫です。
Point 2 詰め込みすぎに要注意!
テーマが難しいため、あれも、これもと情報の詰め込みすぎは要注意です。構成(コンテ)を作った際には一度、引き算の発想で見直してみてください。もちろん、重要なメッセージは伝えなければいけませんが、伝えすぎても視聴者が混乱するだけ。あまり詰め込みすぎずに、メッセージ性を打ち出すことが大切です。
Point 3 動画の特性を活かそう!
テロップを入れる、効果音を入れるなど編集へのチャレンジをおすすめします。編集のヒントはYouTubeなど日ごろ見ている動画の中にたくさんあります。みなさんなら2、3時間勉強したらすぐにできるようになりますよ。さらに、これを起点にYouTuberをはじめてみては。“高レベル放射性廃棄物処分に関して自分がインフルエンサーになる”という発想を持って取り組んでみるのも面白いかもしれませんね。
作品の評価ポイント
Point 1 国民一人ひとりが自分事化するという観点を!
「地層処分の課題はあまり知らない」「関心がない」という現状において、「この課題を国民一人ひとりに関心を持ってもらい、自分たちの課題としてとらえてもらうにはどうすればいいか」という観点から、具体的な施策を述べることが重要です。
Point 2 違った視点からの方策を!
ほとんどの提言で「教育」「SNS」などの活用を提案されていたので、逆に、教育、SNS以外の方策が提案されると、注目度は高くなります。もちろん、その有効性が認められることが重要ではありますが。
また、教育、SNSの活用を提案するにしても、それを具体的にどう進めるか、という具体策の提案が求められます。
Point 3 「自分に何ができるか」を具体的に示しましょう!
応募いただいた多くの提言で「自分事」がキーワードとなっていました。そこから、「自分には何ができるか」を考え、「どう行動するか」を述べることで内容に磨きがかかります。その点はよく述べられていましたが、さらに一歩踏み込んで、その成果が社会にどう伝わり、国民一人ひとりの理解への一助となるかが評価のポイントとなります。