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高レベル放射性廃棄物については、原子力発電が開始された1960年代から、地層処分をはじめ、
・宇宙にロケット等で打ち上げる宇宙処分、・海溝や海底に廃棄する海洋投棄、・南極の氷の下に処分する氷床処分、・地上での貯蔵管理等、私たちの生活環境から隔離するためのさまざまな方法が、国際機関や世界各国で検討されてきました。
海洋投棄と氷床処分については国際条約※で不可能となり、宇宙処分は発射時の信頼性やコスト面等から現実的ではないと判断されました。
また、地上施設で貯蔵管理する方式の場合、数万年以上の長期間にわたり地上施設を維持・管理していく必要があり、さらに、地震、津波等の自然現象による影響や、戦争、テロ等といった人間の行為の影響を受けるリスクがあります。
長期にわたり、このようなリスクを念頭に管理を継続する必要のある地上管理は、現実的ではなく、望ましい対策ではないというのが国際的に共通した認識です。
地層処分は、元来、地層が持っている特徴(地下深部では酸素が極めて少ないため物質が変質しにくいこと、物質の移動が非常に遅いこと等)により放射性物質を閉じ込めることができ、また、地下深部を利用することで人間の生活環境から隔離することができます。
このように、地層処分は人による継続的な管理が不要になるため、最も適切な方法であるとの考え方が世界各国で共通の認識となっています。※海洋投棄...「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約(ロンドン条約)」により禁止
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