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ガラス固化体にガラスを用いるのは、放射性物質を長期間にわたり、安定な状態で閉じ込めておくことができる材料だからです。ガラスは、主成分であるケイ素やホウ素等の原子が網目のような化学構造を形成していることから、大きさや性質の違うさまざまな成分を均質かつ安定に取り込むことができます。色ガラスはこの特徴を利用したもので、これと同じように、ガラス固化体においても放射性物質が網目のような構造に取り込まれます。色ガラスが割れたとしても、色の成分だけが流れ出すことがないのと同様、ガラス固化体が割れても、中から放射性物質だけが流れ出すことはありません。
また、ガラスはビーカーや試験管に用いられているように、水に溶けにくく化学的に安定しているという特徴があります。古代の遺跡からガラス製品が色彩をほとんど失わずに出土しているのは、ガラスが持っているこれらの優れた特徴によるものです。<関連リンク>