技術部
工学技術グループ
レ アン ゴク
私は20歳の時に、留学のため、ベトナムから日本へ来ました。日本の大学では土木工学を専攻し、大学院修了後は、日本の建設会社に11年間勤務しました。建設会社では、主に原子力関連施設の耐震設計を担当しました。その中で、原子力発電はエネルギーの安定供給や電力の脱炭素化には欠かせない電源である一方、原子力発電に伴って発生する高レベル放射性廃棄物の処分が、世界共通の将来への課題として存在していることを知りました。
2023年時点では、私の母国ベトナムでは原子力発電の導入予定はありませんが、将来的な電力需要の伸びを見据え、これまでも度々、原子力発電所の建設の是非が議論されています。原子力発電の導入において、費用や技術的な課題とともに、高レベル放射性廃棄物の処分問題も障害になっているものの一つです。
そのような背景もあり、高レベル放射性廃棄物の地層処分プロジェクトに携わりたい、世界の共通の課題に貢献したいとの思いから、2021年度にNUMOに転職しました。前職で得た耐震設計の知識を活かし、地震による地下深部の坑道の耐震性評価の信頼性向上のため、室内試験や模型実験など、研究機関との共同研究を担当しています。図は、これまでNUMOで実施した地震のゆれに対する検討例です。
「日本における高レベル放射性廃棄物の地層処分プロジェクトが成功することで、将来、母国ベトナムのエネルギー問題にも貢献できるかもしれない」との思いで、これからもNUMOの業務に取り組んでいきたいと考えています。