ディベート試合の様子
千葉大学の藤川大祐教授が担当する「ディベート教育論(※1)」では、2012年度から、高レベル放射性廃棄物の処分問題を題材として扱っていただいています。
講座の後半で行うディベート試合の論題は「日本は高レベル放射性廃棄物の地層処分計画を撤廃し、地上での管理を義務づけるべきである。是か非か」。学生はランダムに肯定側・否定側のチームに分かれ、チームで協力して論点や根拠をまとめ、試合に臨みます。
今年度は、教育学部1~4年の学生ら52名が受講。ディベートに関する講義に加え、JAEA(※2)やJAIF(※3)の専門家によるエネルギーや原子力全般、分離変換技術などの講義も行われ、4カ月にわたり試合に向けて準備を進めました。NUMOからも地層処分に関する講義のほか、希望者を青森県六ヶ所村の原子燃料サイクル関連施設に案内しました。
学生からは、「人々が目を向けにくい問題だが、今すぐ向き合うべきだと思った」「将来世代とのつながりを考えさせる授業ができそう。教員になった際に扱いたい」などの感想が聞かれました。
藤川教授からは、「高レベル放射性廃棄物の処分は、すでに発生しているものをどうするかという問題で、ディベートのテーマとして適している。多くの受講生には馴染みがないが、物怖じせず知識を吸収していて頼もしい。相手の話の前提を理解して話を進めることの大切さを学び、卒業後は教育現場でも生かしてほしい」と学生への期待を込めたコメントが送られました。
- 児童・生徒に指導する手法を学びながら、自らも現代的な課題をテーマとしたディベートを経験することにより、論理的思考等を養うことを目的とした授業科目。
- 国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構
- 一般社団法人 日本原子力産業協会
【注釈】
人工バリアに使用するベントナイトの性質を説明するNUMO職員
他チームの試合後、どちらの勝利か自身の判定根拠を発表する学生