地層処分の費用について
ここでは、地層処分に係る積立金の調達・使途について、ご紹介します。
原子力発電環境整備機構(NUMO)の事業資金の調達は?
高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)および地層処分低レベル放射性廃棄物(TRU廃棄物)の地層処分に係る費用(事業費)は、電力会社、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下、JAEAといいます。)、日本原燃(株)等から納付された拠出金およびその運用益(以下、積立金といいます。)によって賄われています。
拠出金の納付・積立
NUMOは、安定的な資金管理・運用、資金管理の透明性の確保、適切な支出の担保等の観点から、(公財)原子力環境整備促進・資金管理センター(以下、原環センターといいます。)に拠出金を積み立て、同法人に運用を委託しています。
図1 地層処分に係る拠出金の納付
原環センターでは、受け入れた拠出金を国債等の長期的に安全かつ確実な債券等にて運用しています。
運用状況については、原環センターのホームページ(最終処分積立金残高及び運用状況)をご覧ください。
積立金の取戻し
事業運営に必要な資金(事業資金)は、原則として四半期ごとに原環センターから取り戻しています。取戻しに際しては、経済産業大臣への申請・経済産業大臣の承認が必要となります。
なお、使われなかった(未執行の)積立金は、翌年度に原環センターに積み立てをし、資金運用されています。
図2 地層処分に係る積立金の取戻し
(※)地層処分事業に必要な経費(支出)は、原環センターより取り戻した資金から支払われています。
地層処分に係る積立金の使途(支出)は?
NUMOは、原環センターから取り戻した資金を、技術開発、概要調査地区選定等に係る調査、広報活動、本社運営等に係る経費等の支出に充当しています。
2023(令和5)事業年度の支出は以下のとおりです。
各科目をクリックしていただきますと、それぞれの科目の簡単な説明が表示されます。
(単位:百万円)
科 目 |
第一種最終処分 業務勘定1 |
第二種最終処分 業務勘定2 |
合 計 |
技術開発費 | 1,319 | 372 | 1,692 |
概要調査地区選定調査費 | 0 | 0 | 1 |
広報活動費 | 884 | 236 | 1,121 |
事業管理費 | 1,712 | 458 | 2,170 |
役職員給与 | 1,089 | 291 | 1,381 |
管理諸費 | 622 | 166 | 789 |
一般管理費 | 1,056 | 282 | 1,339 |
役職員給与 | 641 | 171 | 812 |
管理諸費 | 415 | 111 | 526 |
予備費 | 3 | 0 | 3 |
合 計 | 4,977 | 1,351 | 6,328 |
(注1) | 高レベル放射性廃棄物の地層処分事業に必要な経費の区分です。 |
(注2) | 地層処分低レベル放射性廃棄物の地層処分事業に必要な経費の区分です。 |
(注3) | 収入支出決算書支出の部に記載のある「積立金預け金」は、電力会社等から納付された地層処分に係る拠出金の原環センターへの預入額のため、この表では省略しています。 |
(注4) | 百万円未満を切り捨てて表示しているため、「各科目」の合計と「合計」は一致しない場合があります。 |
(注5) | <->の表記は該当数字なし、<0>の表記は百万円未満を切り捨てたことを意味します。 |
2022年度以前の使途(支出)については、財務関係書類のうち収入支出決算書支出の部を参照してください。
過年度の財務関係書類はこちら
また、事業計画・予算・資金計画および今年度・前年度の入札・契約情報もご覧いただけます。
事業計画・予算・資金計画はこちら
入札・契約情報はこちら
技術開発費
処分施設建設地の選定に必要な技術の整備を行うとともに、長期にわたる地層処分事業を的確かつ効率的に推進するために必要な技術の開発に関する支出(費用)です。
2023(令和5)年度は、地質環境の調査・評価技術の高度化(316百万円)、処分場の設計と工学技術の体系的な整備(158百万円)、閉鎖後長期の安全性の評価に関する技術の高度化(307百万円)、国際連携・貢献の着実な推進(840百万円)等に支出しました。
概要調査地区選定調査費
処分施設建設地の選定は、3段階の調査を経て行われます。概要調査地区選定調査費は、調査の最初の段階である、文献調査に要する支出(費用)です。
広報活動費
全国を対象とした対話活動に要する支出(費用)です。
2023(令和5)年度は、学習団体の活動への支援(203百万円)、メディア等による広告(665百万円)、広報ブースの出展(108百万円)等に支出しました。
事業管理費および一般管理費
地層処分事業を管理するために必要な人件費、諸経費等です。事業管理費とは、直接、地層処分事業に要する支出(費用)であり、一般管理費とは、地層処分事業を管理するため、経常的に要する支出(費用)です。
事業管理費及び一般管理費には、役職員給与(人件費)および管理諸費(諸経費等)があります。
役職員給与
役員・職員の給与、退職金等に係る支出(費用)です。
2023(令和5)年度は、事業管理費及び一般管理費の合計で、期末役職員数(常勤役員数と職員数の合計)は194人(月平均195人)でした。
管理諸費
積立金の管理・運用業務、本社事務所等の諸経費、応募促進に向けた理解活動に係る支出(費用)等です。
2023(令和5)年度は、事業管理費及び一般管理費の合計で、文献調査対象自治体とその周辺地域等における対話活動の充実(266百万円)、組織運営(事務所諸経費等)(1,049百万円)等に支出しました。
予備費
予算上、将来における不確実性に対応するため、一定の余裕を持たせる目的で設定するもので、予定外の支出及び予算を超過した支出などに対応するために準備しておく予算のことです。
2023(令和5)年度は、為替変動により支払金額が繰越額を上回った案件について、予備費を使用し支出しました。