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地下深部は、地上に比べて、地震、津波、台風等の自然現象による影響がほとんどなく、戦争、テロ等の人間の行為による影響も受けにくいという特徴があります。
また、地下にある物質は主に地下水によって運ばれますが、地下深部では地下水の動きが極めて遅いため、物質の移動が非常に遅いという特徴もあります。さらに、多くの物質は岩盤に吸着されやすい性質があるため、地下水によって運ばれる物質の動きは地下水の流れよりも遅くなります。もう一つには、地下深部では酸素が極めて少ないため、錆びなどの化学反応が抑えられ、物質を変質させにくいという特徴があります。
これらの特徴により、地下深部は地上に比べ、物質を長期にわたり安定して閉じ込めるのに適した場所といえます。
例えば、カナダのシガーレイクにあるウラン鉱山では、ウラン鉱床は地下約450メートルにありますが、地表で放射性物質の痕跡が見つかったことはありません。これはウラン鉱床が粘土の豊富な層で覆われていたことにより、粘土が閉じ込め機能を発揮していたためと考えられています。
地層処分では、このような地下深部の地層が本来持っている「物質を閉じ込める力」を利用し、地下深部の地層に高レベル放射性廃棄物を埋設し、人間の生活環境に影響を及ぼさないように長期にわたって安全・確実に隔離し閉じ込めます。
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