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原子力発電に伴って生じる「放射性廃棄物」は、下図のとおり様々なものがありますが、法規制上、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物の二種類に分けられます。このうち地層処分するのは、高レベル放射性廃棄物と一部の低レベル放射性廃棄物(地層処分相当低レベル放射性廃棄物(TRU廃棄物))です。
高レベル放射性廃棄物
日本では、原子力発電所で使われた燃料(使用済燃料)を再処理し、ウランやプルトニウムを取り出して有効に利用することとしていますが、この際に再利用できない放射能レベルの高い廃液が発生します。これをガラス原料と高温で融かし合わせ、ステンレス製の容器(キャニスター)の中で冷やし固め、ガラス固化体とします。このガラス固化体が高レベル放射性廃棄物です。ガラス固化体にはウランやプルトニウムなどの核分裂性物質はほとんど含まれていないため、臨界*1状態になることはありません。また、化学的に爆発を引き起こす物質や引火する物質も含んでおらず、爆発するようなものでもありません。
なお、使用済燃料を再処理せずにそのまま処分(直接処分)する国では、使用済燃料そのものが高レベル放射性廃棄物となります。
低レベル放射性廃棄物(地層処分の対象となるもの)
再処理施設等で発生する地層処分相当低レベル放射性廃棄物(TRU廃棄物)には 、半減期*2の長い放射性核種が一定量以上含まれるため、高レベル放射性廃棄物と同じく、地表から300メートル以上深い安定した岩盤に処分します。*1 臨界:
核分裂反応が連鎖的に発生し、核分裂の回数が時間とともに変わらず継続している状態をいいます。*2 半減期:
放射性物質は、放射線を出しながら時間の経過とともに放射線を出す能力(放射能)が減り、放射線を出さない安定した物質になっていきます。「半減期」とは、放射性物質が持つ放射能の量が半分になるまでの時間をいいます。<関連リンク>