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本来、地下深部では、岩盤自体が水を通しにくく、また水を流そうとする力(圧力差)も小さいことから、地下水の流れは1年間に数ミリメートル程度と非常に遅いです。
一方、地下研究所のトンネル表面は大気圧であるのに対し、岩盤内には深度数百メートル分の水圧がかかっていますので、大きな圧力差が生じます。その結果、岩盤中のすき間からトンネル内に地下水が流入しやすくなります。
地層処分場の場合も、地下施設の建設中や、廃棄物の埋設作業中は、地下研究所と同じように、地下の坑道と岩盤には圧力差が生じるため、地下水が流入しやすくなります。このため、湧水対策や排水設備の整備などを実施します。しかし、最終的には地下坑道は完全に埋め戻され、岩盤と埋め尽くされた坑道の圧力差はほとんどなくなり、再び地下水の流れは建設前のように、非常にゆっくりとした状態に戻ります。<関連リンク>